アンディ・サマーズ自伝 ポリス全調書 / アンディ・サマーズ
ロックバンドをやりたいと思っている少年へ ツアーは厳しいぞ 数年前に再結成し話題にもなったザ・ポリス。そのモンスター・バンドのギタリスト、アンディ・サマーズが書いたのがこの伝記。アンディ・サマーズは幼少期に音楽と出会い、ジャズ等の様々な音楽に触れてロンドンへ出てバンドを始め、アニマルズやソフト・マシーンでの活動を経てザ・ポリスに加入する。
この伝記を読んでいて印象に残るのはツアーの辛さだ。無名時代は汚いホテルに泊まり、時にはバンドメンバーと同じベッドに寝る事もあったようだ。有名になっても、結局泊まるホテルの部屋はどこも同じ様な部屋で、バックステージでさえも毎日良く分からない人に会ってサインしなくてはならない。もちろんツアーは本国イギリスだけに止まらず、アメリカ、南米、インド、香港、日本、エジプトなど世界各国を回る事になる。そこでアンディ・サマーズが体験した面白いエピソードが沢山掲載されているが、日本人としては特に、アニマルズとして来日した時の日本での辛い思い出と、その後のザ・ポリスでの来日時のスター待遇の差はおもしろいかもしれない。
ザ・ポリスが再結成ライブを極秘に行ったロス・アンゼルスの名門ライブハウス、ウィスキー・ア・ゴー・ゴーに再結成ライブの一週間後に所用で行った事がある。ライブハウスのオーナーに話を聞くと「サインを求める全ての人にサインをしていて、誰にでもすごく親切に接していたわ」と感激していた。「誰にでも親切に」という部分を聞いて、彼らが80年代と同じ憂鬱な気持ちでサインをしていなかった、と私は個人的に信じている。
text by 和気充郎
☆本国イギリスでBest Music Book of the Year 受賞☆
☆ロンドンで名を馳せたバンドマン青春時代とロマンティックな愛の実話。
☆スティングとスチュワート・コープランドとの運命的な出会い。
☆パリで「ロクサーヌ」が生まれた夜、ポリスが警察に連行された日。
☆ウォーホルが書いた「アンディーからアンディーへ」。
☆俳優ジョン・ベルーシと食べた「マジック・マッシュルーム・オムレツ」。
☆「シンクロニシティーII」の"あの音"はローディーの○○○の音?
☆3人がバラバラの心のまま「見つめていたい」が完成した瞬間の感動秘話。
☆そして新しい夢……。