ケルアックに学べ / ジョン・リーランド

ビート文学の傑作『オン・ザ・ロード』を新しい解釈で切り取った革新的な1冊            『オン・ザ・ロード』
このタイトルを一度は耳にしたことがあるだろう。1957年9月に出版され半世紀以上過ぎた今でも、若者の心を捕らえて離さない永遠の名著だ。07年には世界文学全集の第1回配本として待望の新訳が出版され、美しいブルーの表紙が書店で並んでいるのを目撃した人も多いに違いない。ビート、ジャズ、ドラッグ、ポエトリー・リーディング・・・・・・現在の文学、カルチャー、音楽、ライフスタイルのクールな原型を作った『オン・ザ・ロード』。この1冊の本が与えた影響は計り知れない。

「ウッドストックは彼の本から生まれた」と語るウィリアム・バロウズ。
「この本は若い頃の自分にとってのバイブルそのものだった」とボブ・ディラン。

フランシス・フォード・コッポラが、確固たる脚本が得られないためずっと映画化できていないとか。ケルアックが着ていたヨレヨレのレインコートを15000ドルで手に入れたジョニー・デップなど。ジャック・ケルアックを崇拝する人はいつの時代も後を絶たない。

この本の原題は“ WHY KEROUAC MATTERS” サブタイトルは“They're Not What You Think” 著者であるジョン・リーランドは、ケルアックを改めて読み解こうとしている。その切り口が面白い。テキストは『オン・ザ・ロード』を含むケルアックの著書、草稿、日記、手紙、メモ。決して語り継がれてきた挿話や逸話をそのまま信じるのでなく、ある時は批判的に、ある時は懐疑的に論じていく。全体を貫くのは、訳者があとがきに書いているように「ケルアックという奴は、本当はこんな野郎なのだ」というものである。

ジョン・リーランドは、『ニューヨーク・タイムズ』の名物記者で、主な著作に『ヘミングウェイと歩くパリ』、『ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜』がある。既存の考え方を覆す絶妙な切り口と説得力で、新しい解釈を提案することに長けている作家だ。文体も端的でわかりやすい。

著者は、『オン・ザ・ロード』の主人公はディーンではなくサルであり、こちらにケルアックを重ねるべきだという。そしてケルアックの保守性、真っ当な仕事観、ジャズの影響など、独自の視点を提示していく。読書というのは作者と登場人物、それに読者が三位一体となり可能となるという。だからこそ、あいまいな部分を読者に委ね続ける『オン・ザ・ロード』の物語は、いつまでも色あせないのだ。

ジャック・ケルアックは1922年、マサチューセッツ州ローウェルの、フランス系カナダ移民の家庭に生まれる。フランス系カナダ人のコミュニティで幼少期を過ごす。ローウェル高校に進学後フットボールに熱中する。フットボールの推薦でコロンビア大学に進学するが入学後まもなく行われた試合で負傷しフットボールを諦める。第二次世界大戦中は船員として世界中を航海し、戦後は親友であった作家のウィリアム・バロウズや、ニール・キャサディ、アレン・ギンズバーグらと共にアメリカ中を放浪してまわった。これらの経験から、生まれたのが『オン・ザ・ロード』だ。

代表作『オン・ザ・ロード』は、ヒッピーの間で多くの愛読者と熱狂的な信奉者を生み、一気にアメリカのカウンター・カルチャーの代表となった。彼らの間で「ビート族の王」、「ヒッピーの父」と呼ばれている。またジェームズ・フランコが主演するギンズバーグの自伝映画『HOWL』が公開を控えている。本国アメリカでもビート文学が再び注目され、リバイバルヒットしているようである。第一線で活躍するクリエイターの多くが、ビート文学に影響を受けた人が多いのは誇らしくもあり、うれしいものである。

この本を読んでから『オン・ザ・ロード』を読むか、『オン・ザ・ロード』を読んでからこの本を読むかを決めるのはあなた次第だ。どちらを先に読んでも刺激的であることに変わりはない。それが『オン・ザ・ロード』なのだから。

text by 小池_弘




【目次】

●女の子たちと夢とその他すべて ─サル・パラダイスに学べ!
大人のケルアック
びしょ濡れヒッチハイカーの寓話
ジャックならどうする?

●気狂い連中のパラダイス ─男たちの寓話
狂った奴ら
サルがガイドする仕事と金の世界
父親のいない子供たちの本

●世界の真実はフランス映画にある ─愛とセックスの寓話
女の子をナンパしない方法

●スコット・フィッツジェラルドみたいには遊ばない ─ジャズの寓話
オルーニの教え
永遠の一瞬

●サルのヴィジョン ─黙示録
聖なるマヌケども
ゴースト
ヴィジョン

●影響 ─成功と不満
悲しきパラダイスと棄てられた教科書

●訳者あとがき

●本書内の引用・適用について

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