セオドロス・バファルコス/ロッカーズ・ダイヤリー 書籍

数々のトラブルを乗り越えて完成した伝説のレゲエ映画『ロッカーズ』の記録が書籍化!           1978年に製作された『ロッカーズ』は、当時のジャマイカの音楽シーンやラスタ文化がありのままに記録され、その後世界中に広まるレゲエ・ブームの火付け役になった映画だ。もちろんストーリーも十分楽しめるのだが、それよりもフィルムに刻まれたストリートのファッションや風景、劇中に挿入されるレゲエ・ミュージックが強烈。ジャマイカでしか成立しない豪快な一服、パーティーやレコードショップでの無邪気なダンスシーン、誰も真似のできない独特なファッションなど笑える要素が満載になっている。レゲエ・ミュージックに興味を持ったらまず、この映画とボブ・マーリィのライブ盤を聴くのが本筋というものだ。それくらいのインパクトはある。

この映画を製作した監督のセオドロス・バファルコスは、何度も撮影中止の危機に陥るが、数々のトラブルを潜り抜けて、完成にこぎつけた。その経緯を豊富な当時の写真とともに克明に記したのが、ここに紹介する『ロッカーズ・ダイアリー』である。

1975年セオドロス・バファルコスは駆け出しの写真家として、ニューヨークにおけるジャマイカ文化とジャマイカの音楽に関する記事のためにブルックリンのクラブで撮影をすることになった。その後、アイランド・レコーズの仕事で初めて訪れたキングストンの音楽に魅せられ、プロデューサーのパトリック・ホージーと共に映画の制作を決意する。

ロケハンの際に出会ったホースマウスやダーティハリーなど、地元のミュージシャンたちを出演者に迎え、77年夏から8週間に渡るオール・ジャマイカ・ロケを敢行。ボブ・マーリィとの試写など映画では描かれなかった撮影秘話、ジャマイカでの出来事、著者に影響を与えたニューヨークの音楽やアートシーンなどを描写した撮影手記になっている。

監督のセオドロス・バファルコスは、1946年のギリシャで生まれ、64年ロードアイランド・デザイン大学(RISD)に入学、卒業後はギリシャ陸軍に入隊しニュース専門のカメラマンとしての経験を積む。その後アメリカに戻り、広告代理店に入社、制作担当としてコマーシャル制作を手掛ける。73年ニューヨークに移住。『ロッカーズ』を監督したのち、エロール・モリスのプロダクション・デザイナーとして活躍、ジョナサン・デミの『シャレード』の制作にも携わる。また、エアロスミス、ロバート・パーマー、トーキングヘッズ等のミュージックビデオにもプロダクション・デザイナーとして参加している。現在は、幼年期を過ごしたギリシャのアンドロス島で妻のユージニーと共に、年に1回行われる地域の演劇の演出を手掛けるなど、穏やかな暮らしを送っている。

撮影手記の名作といえば、コッポラの妻 エレノア・コッポラによる『地獄の黙示録』の制作風景を綴った『ノーツ—コッポラの黙示録』が有名だ。出演者ハーヴェイ・カイテルの降板、マーティン・シーンが心臓麻痺で生死をさまよい、デニス・ホッパーは麻薬中毒で台詞が覚えられず、17週の撮影予定が61週にも延び、膨れ上がる制作費、編集に2年もの歳月を費やしたという戦場のような制作現場が克明に記されている。映画本編を見た後に読むと、もう一度本編が見たくなる、そんな本だ。

この『ロッカーズ・ダイアリー』も規模や制作費は比べものにならないが、映画制作現場の葛藤や衝突などが描かれている要素はまったく同じだ。まだSFXやCGがなかったからこそ、作り手の熱意がこもった映画がこの時代には多い。面白いことに1979年のカンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されたこの『ロッカーズ』は、プレミア上映がフランシス・フォード・コッポラ監督の『地獄の黙示録』と重なっていたそうだ。両者の不思議な因縁を感じてならない。

また70年代のニューヨークの音楽やアートシーンなどが紹介されているので、セオドロス・バファルコス自身の青春の記録としても楽しめ、写真家でもあった著者撮影による126点もの写真が文中とリンクして挿入されており、当時の情景が鮮明に蘇ってくる。

この限定特装版には特別にA5サイズのポストカードが8枚付いており(撮影はもちろんセオドロス・バファルコス)、鼻からモクモクと煙をだしてご満悦状態のラスタマン、レコーディング・スタジオのチープだがカッコイイ設備、壁にベタベタと貼られたジャケットのディスプレイが強烈なレコードショップやピッタピタの70年代ファッションに身を包んだジャマイカ人たちが集まるストリートなど、名ショットが満載だ。ハガキサイズよりも大きなA5サイズというのもうれしい。しかも特製のオリジナル・ブックケースが付く。ハードカバー仕様でずっしりと重たい全272ページは、DVDと合わせて家宝にするしかない!

text by 小池_弘




セオドロス・バファルコス 著・写真
浅尾敦則 訳

【目次】
第一章 ルーツ
第二章 燃え上がる情熱
第三章 燃えるジャマイカ
第四章 ロッカーズ制作へ
第五章 すべての人に愛を
第六章 キングストン再び

【登場アーティスト】
ボブ・マーリィ、リー“スクラッチ”ペリー、ピーター・トッシュ、オーガスタス・パブロ、リロイ“ホースマウス”ウォレス、アンディ・ウォーホル、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、パティ・スミス、ミック・ジャガー、ロバート・フランクほか

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