eatrip BOOK
「人生とは食べる旅」、映画『eatrip』に込められた「おいしい」想いを一冊に セロリ、たまご、アスパラガス、ビーツ、ひよこ豆、ローズマリー、牛乳、赤たまねぎ、カリフラワー、穀物、グリンピース、トウガラシ……。黄色、赤、オレンジ、緑など色鮮やかな食材が広がった表紙からは、それぞれの食べ物の持つエネルギーが溢れている。
「eatrip」はフードディレクターの野村友里が手がけた、「人と食を巡る」作品である。歌手のUA、デザイナーのヨーガン・レール、沖縄で暮らす主婦の森岡尚子、俳優の浅野忠信など職業や年齢を超えて、さまざまな人にとっての「食」を描いていく。
このオフィシャルブックは野村監督やキャストのインタビュー、「苺とさよりのマリネ」など作中に登場した料理の背景を紹介し、作品を観る前でも観た後でも楽しめる内容となっている。さらに上映会での青山真治監督のトークショー、モントリオール世界映画祭の裏側なども収録。女優の小島聖や作家の廣瀬裕子、劇場来場者にも「食にまつわる記憶」を聞き、それぞれの食に対する想いをまとめた。
制作を手がけたのはecocolo編集部。現場の空気感が伝わる写真を多数使用し、稲葉まりによる月のイラストを差し込むなど最後まで飽きさせない作りで、何度も読み返したくなる「おいしい」1冊に仕上がっている。
ある上映トークショーの中で、マクロビオティック料理研究家の中島デコさんは「重要なのは作り手が見える食材であること。生産者が見えると感謝の気持ちにつながる」と語った。食材の背景を意識することで、食に対する考え方も変わっていくだろう。この作品の背景を知ることで、「eatrip」や食に対する想いがさらに広がるかもしれない。