
ガンモ ポスター
¥2,037 税込
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決しておしゃれなだけじゃない。映画界の異端児ハーモニー・コリンの『ガンモ』B2ポスター。 19歳で書いた『KIDS』が写真家のラリー・クラークによって映画化され、一躍時の人となったハーモニー・コリン。『KIDS』では都会に生きる子どもたちを取り上げたが、初監督作品『ガンモ』では荒廃した田舎街に生きる子どもたちを描いている。
舞台は、70年代の半ばに竜巻に襲われたオハイオ州のジーニアという街。そこだけ周りから忘れられたように復興されることもなく、傷跡を生々しく残し、人々はゴミだらけとなった崩壊寸前の家に住み、大人も子どもも人間性がゆがんでいる。一見、松本大洋の漫画「鉄コン筋クリート」のようなフィクションの世界のように見えるが、実はアメリカの白人貧困層の現実がベースになっているという。
アメリカ南部に多いと言われる「ホワイト・トラッシュ」。白人が低所得者の白人を蔑んで呼ぶときに使われるスラングで、直訳すると「白人のくず」(!)。
ホワイト・トラッシュからマイク1本でのしあがったアーティストにエミネムがいる。彼の自伝的映画『8マイル』にはトレイラー・ハウスに住む家族やその日暮らしの生活が描かれるが、まさにホワイト・トラッシュの典型。その問題は黒人への人種差別のように問題視されることがなく、問題が見えにくいことが問題だとも言われている。
『ガンモ』でハーモニー・コリンはそんな社会の底辺にいる人々を擁護するわけでもなく、非難するわけでもなく淡々と描いた。
野良猫を撃ち殺し精肉店に売って小遣いを稼ぐ少年たち、暴力的な子どもたち、自分の娘をレイプする父親、ダウン症やアルビノ(白子)の女性、ゲイの若者、黒人の小人……まともな人間がひとりも出てこない映画を見ているうちに、果たしてどこにその境界線があるのかわからなくなってくる。というのは、過酷な状況でも彼らがふざけ合ったり、触れ合ったりしながら生きている様子が映し出されるからだ。
実は、ハーモニー・コリンは5歳から高校卒業まで南部テネシー州ナッシュビルで暮らしている。その頃、ヒッピーのコミューンで暮らしたこともあったという。そんな経験が彼の創作の源泉であることは間違いない。本作の撮影もまたテネシー州ナッシュビル郊外にある「ホワイト・トラッシュ」の街で行なわれた。ポスターでうさぎの耳をつけた少年もまた、ナッシュビル生まれの14歳のスケーターだ。映画もポスターも大変おしゃれにデザインされているが、ひと皮向けば嘘のない現実が広がっている。このさじ加減がいかにもハーモニー・コリンらしい。
Text by 草刈朋子
ガンモ
原題:Gummo
製作国:アメリカ
製作年:1997年
公開年月日:1998/10/24
製作会社:インディペンデント・ピクチャーズ作品
配給:ケイブルホーグ
上映時間:89分
監督/脚本:ハーモニー・コリン
製作:ケアリー・ウッズ
撮影:ジャン・イヴ・エスコフィエ
美術:デイヴ・ドーエンバーグ
音楽監修:ランダル・ポスター
編集:クリストファー・テレフセン
衣装(デザイン):クロエ・セヴィニー
字幕:石田泰子 サイズ:513×729
紙質:マットコート紙
ウェイト:約135k
CONDITION: DEAD STOCK
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